冬の時期、日本海側で大雪が降るとテレビなどで「JPCZ」という言葉をよく目にします。
何やら横文字で難しそうに聞こえますが一体何のことなのでしょうか。
JPCZとは
JPCZ(Japan-sea Polar airmass Convergence Zone):日本海寒帯気団収束帯
JPCZとはJapan-sea Polar airmass Convergence Zoneの略であり、日本語では「日本海寒帯気団収束帯」と言います。
「日本海で起きる寒気の収束帯」ということですね。
なぜJPCZが発生するのか
JPCZの発生要因には朝鮮半島にある長白山脈が大きく影響しています。
長白山脈の標高は高いところで2700m超える山脈です。
シベリア大陸からの寒気がこの長白山脈によって二手に分かれ、日本海で再び合流する際に収束帯が発生し雪雲を作ります。
発達した雲は帯状になり日本海でたっぷりと水蒸気を得てどんどん発達し、水平のスケールは約1000㎞に達します。
この幅の広い雲バンドを「帯状対流雲」と言います。
帯状対流雲は活発な対流雲を含んでいる為、日本海側の地域に上陸したときには大雪になることが多いです。
また雪雲が流れ込む影響で東海地方や太平洋側でも雪を降らせることがあります。
飛行への影響
JPCZにより帯状対流雲が発生すると日本海側を中心に大雪をもたらします。
一般的に降雪は視程を悪化させますが、帯状対流雲は特に顕著でかなりの悪視程になります。
日本海側の新潟空港や小松空港、福井空港などでは飛行場の卓越視程がかなり落ちることが予想されます。
ヘリコプターの場合基本的には有視界飛行方式なのでまず飛ばないですけどね。
JPCZの予測
フライトだけでなく、生活にも影響を及ぼす「JPCZ」ですが、どのように発生を予測すれば良いのでしょうか?
JPCZ発生のヒントは天気図に隠されています。以下の天気図をご覧ください。
出典:気象庁
この天気図は2022年12月14日午前9時の地上天気図です。
日本海上で等圧線がくの字に曲がっているのが分かります。
等圧線が折れ曲がっている場所では空気の収束がありJPCZが発生しやすくなります。
実際にどうなっているかは気象衛星の画像と雨雲レーダーの様子を見れば一目瞭然です。
出典:tenki.jp
まずは衛星赤外画像を見てみましょう。
日本海上には地上天気図と対応した場所にJPCZによる筋状の雲が確認できます。
また雨雲レーダーにもしっかりと写っています。
この日の天気予報では日本海側の大雪や吹雪への警戒が呼びかけられていました。