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【VFR・IFR・SVFR】飛行方式の違いについて解説

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飛行機やヘリコプターは毎回同じように飛んでると思いますか?

実は同じ飛ぶにしてもいろんな飛び方があります。

今回はいろんな飛び方「〇〇飛行方式」について解説します。

目次

飛行の方式には何がある?

飛行の方式には大きく3つあります。

飛行の方式
  • 有視界飛行方式
    VFR:Visual Flight Rules
  • 計器飛行方式
    IFR:Instrument Flight Rules
  • 特別有視界飛行方式
    SVFR:Specical Visual Flight Rules

日本語よりも略語を使う方が多いですね。VFR、IFRとか。

もっと省略してV、Iとか言ったりします。

SVFRは「スペブイ」とかって言いますね。

どの航空機も基本はやはりVFRです。

外を見て自分で判断して飛びます。

飛行機で仕事をするようになるとIFRが多くなってきますが、ヘリコプターの場合はVFRがほとんどです。

VFR:有視界飛行方式

有視界飛行方式とは?

いつものように航空法に定義を見てみましょう。航空法施行規則第6条の2に記載されています。

有視界飛行方式とは、計器飛行方式以外の飛行の方式をいう。

なんやねんそれ!て感じですよね。なんだか手抜きな感じがしますがまあそうした方が楽なんでしょうね。

計器飛行方式の定義は後ほど確認するとして、一般的な「VFRとはなんぞや」というのを解説します。

VFR:有視界飛行方式とは

VFRはパイロットが目視によって地表、地上の障害物、他の航空機、雲などとの間隔を保ちながら航空機を操縦すること。

これは明確に定義づけされているものではありませんが、パイロットの愛読書「AIMーj」にはそう書いてあります。

文字通り目視によって雲に入らないようにしたり、他の機体と間隔を取ります。

なので衝突の回避については常にパイロット自身の責任となります。

ヘリコプターは基本的にはこの方式で飛んでいます。

有視界飛行方式と言うぐらいなので、「有視界」でないと飛ぶことはできません。ざっくり言えば天気が良くないとVFRはできないです。

この「天気がいい」だとざっくりし過ぎなので、航空法ではVFRで飛行することができる気象条件を「有視界気象状態」(VMC:Visual Meteorological Conditions)として定めています。

これは航空法施行規則第5条にあります。以下に内容をまとめます。

VMCの条件

①3000m以上の高度で飛行する航空機
 飛行視程:8000m以上
 雲との距離:垂直上方・下方に300m
       水平距離1500m

②3000m未満の高度で飛行する航空機
 飛行視程
 管制区、管制圏、情報圏5000m以上
 管制区、管制圏、情報圏1500m以上
 雲との距離:垂直上方150m下方に300m
       水平距離600m

③管制区、管制圏、情報圏以外の空域を地又は水面から300m以下の高度で飛行する航空機
 飛行視程:1500m以上(他の物件と衝突を避けることのできる速度で飛行するヘリコプターは除く)
 雲から離れて飛行できかつパイロットが地表又は水面を引き続き視認できること

④管制圏、情報圏内の飛行場並びにそれ以外の国土交通大臣が告示で指定した飛行場で離陸又は着陸しようとする航空機
 地上視程:5000m以上
 雲高:300m以上(告示で指定した飛行場については450m以上)

飛行視程:操縦士の前方視距離
地上視程:地平円半分(180°)以上共通の最大視程
雲高(CIG:Ceiling):全天の5/8(BKN)以上を覆う雲層であって、その雲層の地表又は水面からの高さが6000m未満のもののうち、最も低い雲層の雲底の地表又は水面からの高さ

このように限られた気象条件下でしか飛行できないのがVFRです。

天気が悪くて前も見えないような時に他機との衝突は避けられませんからね。

VFRは高度や針路などを管制官に指示されることはなく、全てパイロット自身での判断になります。

しかし管制区、管制圏内を航行中に管制官からの指示があった場合はそれに従わなければなりません。

またVFRでは原則飛行が禁止されている空域があります。

原則VFRで飛行が禁止されている空域
  • 管制圏
  • 特別管制区
  • 29000ft以上の空域(洋上20000ft以上)

これらの空域をVFRで飛行しようとするときは管制官に許可を得なければなりません。

基本的にはパイロット自身の判断で自由に飛ぶことができますが、管制官の指示には従わなければなりませんのでそこは注意しましょう。

ヘリコプターは業務の特性上、圧倒的にVFRでの飛行が多いです。

IFR:計器飛行方式

有視界飛行方式の定義が「計器飛行方式以外の〜」だったので、IFRの定義は航空法第2条にあります。

計器飛行方式とは(航空法第二条17)
  1. 第十三項の国土交通大臣が指定する空港等からの離陸及びこれに引き続く上昇飛行又は同項の国土交通大臣が指定する空港等への着陸及びそのための降下飛行を、航空交通管制圏又は航空交通管制区において、国土交通大臣が定める経路又は第九十六条第一項の規定により国土交通大臣が与える指示による経路により、かつ、その他の飛行の方法について同項の規定により国土交通大臣が与える指示に常時従つて行う飛行の方式
  2. 第十四項の国土交通大臣が指定する空港等からの離陸及びこれに引き続く上昇飛行又は同項の国土交通大臣が指定する空港等への着陸及びそのための降下飛行を、航空交通情報圏(航空交通管制区である部分を除く。)において、国土交通大臣が定める経路により、かつ、第九十六条の二第一項の規定により国土交通大臣が提供する情報を常時聴取して行う飛行の方式
  3. 第一号に規定する飛行以外の航空交通管制区における飛行を第九十六条第一項の規定により国土交通大臣が経路その他の飛行の方法について与える指示に常時従つて行う飛行の方式

長々と書いてありますが要約すると以下のようになります。

IFR:計器飛行方式とは

IFRとは気象状態に関わらず、出発から到着までの全行程を国土交通大臣(管制官)の承認又は指示された高度や飛行経路等に従って飛行する方式。

IFRは出発から到着まで常に管制官に監視されています。

監視というか「見てくれている」という感じでしょうか。

またIFRは気象条件の制約を受けないので、どんだけ天気が悪くても飛行することができます。

VFRはパイロット自身が障害物や他機との間隔を保って飛行しますが、IFRの場合は地上の管制官が目視やレーダーなどを使ってその役割を果たします。

なので前が見えないような天気でも飛ぶことができるんですね。

ちなみにVFRで飛行できる気象条件が「VMC:有視界気象状態」だったのに対し、「IMC:計器気象状態」というのもあります。航空法第2条にその定義があります。

「計器気象状態」とは、視程及び雲の状況を考慮して国土交通省令で定める視界上不良な気象状態をいう。

「国土交通省令で定める視界上不良な気象状態をういう」というのは施行規則の第5条、先ほどのVMCの条件のところです。

VMCの条件の前にこんな条文があります。

法第二条第十五項の国土交通省令で定める視界上不良な気象状態(計器気象状態)は、次の各号に掲げる航空機の区分に応じ当該各号に掲げる気象状態(以下「有視界気象状態」という。)以外の気象状態とする。

つまりVMCの条件を満たさない場合、それは全てIMCになるということです。

そしてIFRであればVMCでもIMCでもどちらでも飛行することが可能です。

エアラインの飛行機はIFRで飛んでいます。ヘリコプターでIFRをやるのはあまり無いです。

ちなみにIFRで飛行するためには「計器飛行証明」という技能証明を取得しなければなりません。

操縦士のライセンスを持っていれば誰でもIFRができる訳ではないんですね。

SVFR:特別有視界飛行方式

特別有視界飛行方式は航空法第94条(計器気象状態における飛行)に出てきます。

航空機は、計器気象状態においては、航空交通管制区、航空交通管制圏又は航空交通情報圏にあつては計器飛行方式により飛行しなければならず、その他の空域にあつては飛行してはならない。ただし、予測することができない急激な天候の悪化その他のやむを得ない事由がある場合又は国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

この条文の「ただし」以下が「SVFR:特別有視界飛行方式」になります。

IMCにおいてはVFRでの飛行が禁止されていますが、その禁止を一定の条件のもと解除してVFRでも飛べるようにするものです。

SVFRは管制圏および情報圏内の飛行に限って許可されます。

一定の条件は航空法施行規則第198条の4に記載されています。

この条件を管制上は「Special VFR Conditions」と言います。

SVFRの条件(SVFR Conditions)
  1. 雲から離れて飛行すること。
  2. 飛行視程を1500m以上に維持して飛行すること。
  3. 地表又は水面を引き続き視認できる状態で飛行すること。
  4. 管制機関と常時連絡を保つこと。

なのでSVFRとは?と聞かれたら次のように答えられるかと思います。

SVFR:特別有視界飛行方式とは

VFR機に対するIMCでの飛行および離着陸の禁止を一定の条件のもとに解除する許可を得て行う飛行方式。

いつSVFRを使うのか?

例えば管制圏のある飛行場からVMCで離陸しましたが、天候が悪化し飛行場の地上視程が3000mになってしまいました。

管制圏のある飛行場のVMCは地上視程5000m以上なので、この飛行場はIMCになってしまいました。

VFR機は着陸できなくなってしましました。パイロットも計器飛行証明を持ってないし、装備もありません。どうしましょう。

そんな時に使えるのがSVFR:特別有視界飛行方式です。

飛行(地上)視程を1500m以上を維持して雲に入らず、地表や水面を視認できる状態であればSVFRでの着陸が可能です。

本当はこうなる前に着陸するか、フライトをキャンセルするべきですが。

ある意味VFR機の救済措置とも言えるかもしれませんね。

まとめ

今回は飛行方式の違いについて解説しました。

飛行方式には大きく3つありましたね。

飛行の方式
  • 有視界飛行方式
    VFR:Visual Flight Rules
  • 計器飛行方式
    IFR:Instrument Flight Rules
  • 特別有視界飛行方式
    SVFR:Specical Visual Flight Rules

それぞれの特徴を振り返りましょう。

VFR:有視界飛行方式

VFRとは
パイロットが目視によって地表、地上の障害物、他の航空機、雲などとの間隔を保ちながら航空機を操縦すること。

VFRはVMC条件下でしか飛行できない。

VFRでの飛行が原則禁止されている空域がある
 ・管制圏
 ・特別管制区
 ・29000ft以上の空域(洋上20000ft以上)

IFR:計器飛行方式

IFRとは
気象状態に関わらず、出発から到着までの全行程を国土交通大臣(管制官)の承認又は指示された高度や飛行経路等に従って飛行する方式。

どんな気象条件でも飛行可能。

操縦士が計器飛行証明を持っていないとできない。

SVFR:特別有視界飛行方式

SVFRとは
VFR機に対するIMCでの飛行および離着陸の禁止を一定の条件のもとに解除する許可を得て行う飛行方式。

管制圏および情報圏内の飛行に限って許可が出る。

SVFRで飛行中はSVFR Conditionsを守って飛行する。
 ・雲から離れて飛行すること。
 ・飛行視程を1500m以上に維持して飛行すること。
 ・地表又は水面を引き続き視認できる状態で飛行すること。
 ・管制機関と常時連絡を保つこと。

VFR機の救済措置

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